EIGHTY-SEVEN

最近の出来事+過去写真の供養

日常

最近ある1枚の写真が、私が今までで撮った写真の中で1番のお気に入りになった。

祖母と母の母娘2人がこたつに入って、写真には写っていない私の姉の話に何気なく耳を傾けている写真。

この写真を撮ったのが2013年の年末。まだ一眼レフを買ったばかりでとにかく撮るのが楽しくて、どこにでもカメラを連れて行き、どんな些細な瞬間でもカメラに収めていた。

 

この年のお正月には、コンサートを見るために行った大阪にもカメラを持って行っていた。

初詣をしようと立ち寄った京都で、恐ろしいことをしている瞬間を友達に撮られていた。

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接写にはマクロレンズを使うということも知らず、楽しくて、目に入ったものはなんでもかんでも撮影していた、初期キットのズームレンズで(笑)。

 

しかし買ったばかりの頃のブームが過ぎれば、旅行などの特別な時にしかカメラを持って行かず、ついにはスマホでいいやと旅行にも持っていくことがなくなり、最近はもっぱら競馬場専用機になっていた。

 

 

少し前に、祖母が体調を崩したという連絡を受けた。

一番辛いのは祖母自身や、身近で支えている母たちだとわかっていてもやっぱり私も辛くて、眠っている間以外は、ずっと心が真っ黒な憂鬱に包まれているような気分だった。

そんな時に、カメラを買ったばかりの頃に撮った祖母と母の写真を見つけて、人生で一番愛おしい瞬間は、旅行中や、なかなか会えない人を見に行くような特別な時ではなく、いつも自分の身近にあるような何気ない日常なんだと気付いた。

そもそもカメラを持ち歩くのが億劫になったのは、その大きさのせいもある。

これからはそういう大切な瞬間を逃したくないと思い、いつでも持ち歩けるようにと、こないだ書いたように衝動的にコンデジを買った。

 

 

家族や友達との思い出のほかに私にとって一番大切な思い出は、やはりロンドンでのホームステイの思い出。

毎日のようにウエストエンドにミュージカルを見に行ったり、美術館や博物館をのんびりぶらついたり、ウィンザーやオクスフォード、ブリストルなどのロンドン近郊に日帰り旅行をしたりもした。

でも私がもう一度ロンドンでゆっくり過ごす機会を得たとして、やりたいことはそういう特別なことじゃない。

公園でぼーっとしたり、家でお酒を飲みながら馬鹿馬鹿しいコメディを見たり、そんな些細なことがしたい。

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まさしくこんな。

ホームステイ先の旦那さんはすでにリタイアされていた方で、色んなところに連れて行ってくれたり、家で一緒にのんびり過ごしたりした。

最初は真面目な子だと思われていたのか、会話はニュースの内容など堅いものが多かった気がする。家で一緒に見るテレビや映画も割とお行儀のいいものばかりだった。

 

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でも私がこんなことばかりしていたからか、お互いユーモアが似ているとわかってきて、家で一緒に見る番組もどんどん馬鹿でお下劣なものになっていった(笑)。

旦那さんはよく不意打ちで色んな写真をスマホで撮っていたんだけど、私を不意打ちで撮ってきた写真を見ると、どれも爆笑しているものばかりだった。それだけ楽しい時間を一緒に過ごしていたんだと思う。

性別も人種も国籍も母国語も違うし、年も40歳以上離れているけど、ホストファザーというより本当に、尊敬できる友達。

 

 

母から退院した祖母の様子を映した動画が送られてきた時は、電車の中だったにもかかわらず思わず泣いてしまった。

当たり前の日常を当たり前だと蔑ろにせず、大切な人には常日頃から大切だと伝えておくようにしたい。