EIGHTY-SEVEN

最近の出来事+過去写真の供養

87

87。このブログのタイトルにもした私が1番好きな数字。

正直ブログのタイトルはなんでもよくて、初期設定のままじゃダサいから、適当につけようと思って思い浮かんだのがこの87。

でも87という表記だと、「はちじゅうなな」とも読めてしまう。私の中では"eighty-seven"という英単語であることに意味があるので、タイトルはあえて英語表記にした。

 

で、なんで87という数字が好きなのかというと、私がロンドンでホームステイしていた頃よく使っていたバスの番号が87番だったから。そんな単純な理由でこの数字に愛着を持っている。

 

 

ファッションデザイナーの山本耀司への取材を元に書かれた本、『服を作る-モードを超えて』の中に、耀司が初めてパリに降り立った時のことを語ったこんな一節がある。

「ヨーロッパの各都市を回り、ドイツから列車でパリの駅に降り立った時に、何ともいえない気持ちになったのです。ほっとしたとでもいうのでしょうか。(中略)瞬間的に、「ここはおれの街だ。ここなら暮らせる」と感じたんです。」

普通なら本を読んだ時、その読んだ字のままの風景を頭に思い浮かべる。でもこの一節を読んだ時は、私の頭の中にはロンドンのホルボーン駅を出てすぐの風景が思い浮かんできた。実際にパリに行ったこともあるから、本の通りにパリの風景を思い浮かべることも可能だったのに…。

 

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この写真は、留学中の姉に会うため初めてイギリス行った時に撮った記念すべき1枚目の写真。

ヒースロー空港に到着し、ホテルがあるホルボーン駅までロンドン地下鉄のピカデリーラインで1本。駅の出口を出て、真っ先に撮った写真。

とりあえず写真を撮って横断歩道を渡ると、かの有名な二階建てバスを発見し、道路の方を振り返って撮った記念すべき2枚目の写真がこれ。

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バスの中から撮った風景の写真はいくつかあるんだけど、意外にも私のiPhoneのカメラロールにあったバスの外観の写真はこれだけ。愛してやまない87番のバスの写真すらない。

 

旅行で初めての場所に行くと、その時はその場所の美しさに感動して、「うわーここ絶対にまた来たい!」とよく思ってしまう。

でもまた別の旅先を訪れるとその感動があっさりなくなり、あの場所の何がそんなに良かったんだっけ?ってわからなくなることがある。(私の中ではベネチアがまさしくそれ。)

でもロンドンだけは、一向に特別だと思う気持ちが薄れない。

 

 

この写真日記を始めるきっかけになった、『L's Brabo Viewtiful Part02』の中で、著者のLがこんなことを書いている。

「Part01を読んだ両親とメンバー、まわりの反応は思っていたより熱かった。息子の姿を断片的にしか見ることができなかった両親は、フォトエッセイを通して息子の考えを理解し、知ることができてよかったと言ってくれた。その言葉に胸が詰まって、これからはもっとたくさん会話ができるように時間を作らなきゃと思ったりもした。」

 

大学卒業後、働く気がさらさらなかったので、卒業式を終えて実家の家族と祖父母に卒業証書を持って挨拶に行った後、さっさと大好きなロンドンに飛び立った。

このことについてお父さんからは、「あの時チミにお金をあげなかったらまともに働いてたかな…」と言われたことがある。

そもそも自分のお金で行かなかった私が悪いんだけど、私にとってロンドンで過ごした時間は、それまでの人生のどの時間よりもかけがえがなく大切な時間だったから、その言葉に少し悲しくなった。

でもよく考えると、ロンドンや、ついでに訪れたギリシャでどんな経験をしたのか、お父さんに話をしたことがなかったなと。

だからお父さんの中では私が、"大学を卒業したのに働きもせず外国で遊び呆けてきた"という印象にしかなっていなかったのかなとLの言葉を読んで気づいた。

 

そのうち家族にこのブログのURLを送りつけてみよう。家族内では飽きっぽいと定評のある私なので、もうちょっと続けていけると確信してから(笑)。