EIGHTY-SEVEN

最近の出来事+過去写真の供養

とはいえ人間なので

急を要する用事で地元の山形に帰った。4日間の滞在。

そして昨日の夜、東京に帰ってきた。

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東京駅に着いて、さっきまで一緒にいた家族がもう近くにいない寂しさを感じつつ、やっと「コロナ」じゃなく「人間」に戻れたとほっとする気持ちもあった。

 

山形滞在中の私は完全に「東京から来たコロナ」だった。

 

 

滞在中、東京で1日100人以上の感染者が出たというニュースが流れた。

それを以って、人と会う約束が流れる等の影響があった。

でも約束をキャンセルしてきた人を責める事はしなかった。

検査を受けていないから100%コロナに感染していないと証明する事はできないし、相手にも家族はいるし、仕事も立場もあるから。

 

 

みんな色んなことをコロナのせいにしてるけど、実際、症状が出た人とその周りの人以外にはコロナは何もしてなくて、ただ元々あった本当の姿が色々炙り出されただけだと感じる。

 

「ばあちゃんに近づくなよ」とか、「お前と一緒に寝るの怖くてやんだ」「猫さもうつるんだから猫と一緒に寝るなよ」と言っていた母は、実際には私と横並びで一緒にご飯を食べて、大切な自分の母親である祖母の横で私が話していても何も言ってこなかった。祖母もいつもと何も変わらず弾丸のごとくしゃべっていた。

帰宅早々「濃厚接触!」と言って抱きつこうとした私に向かって、「コロナあっち行けシッシッ!」と言って逃げていた父は、家に遊びに来ようとした私を嫌がった父方の祖父母に、「在宅勤務してるんだから」とか「東京に住んでるからってコロナを持ってるわけじゃない」とか、祖父母に会いたいという私の気持ちを汲んで、電話で必死に説得してくれていた。そんなに嫌がられたらもちろん行くわけないんだけど、祖母には電話で何度も「悪いことしたなあ、ごめんなあ」と謝られた。

姉はそもそも私を冗談でもコロナと言ってこなかったし、くっついてもいつも通りの態度だった。手で巻いたサムギョプサルを互いに食べさせ合うのも喜んでしてくれた。

家族はどんな時でも本当に私の事を大切にしてくれているんだなと感じた。

 

私自身に関しては…このコロナマターを通して、理性で繕った化けの皮が剥がされて、感情的な本性が顔を出した感じがする。

 

 

約束を断る連絡が入った時、私はありったけの理性をつぎ込んで、相手を理解したかのように「また会おうね」とか「また遊びに行くね」と返事をした。私に会いたくないという人に無理矢理会ってもしょうがないから。

でも私はすごく人間らしい人間だし、理性的なふりを出来ても根本はかなり感情的だ。

 

自分自身や家族、仕事に対しては、「東京から来た人間に会うことで、コロナに感染する危険に晒してはいけない」と誠実なのに、私のことは「コロナが気になるから」と、人をコロナ扱いしたかのようなむき出しの言葉で傷つけても平気なんだね、と心の中で相手を盛大になじった。

 

正直さと誠実さはイコールじゃない。

杏が好きなのか、唐田えりかが好きなのかと聞かれ、自分の本心を話す事は妻を傷つける事になると答えた東出昌大がいい例だ。正直さが逆に不誠実さを露呈した。

「コロナが気になるから」じゃなく「都合が悪くなったから」と約束を断ってくれたら、なんとなく断られた理由を察したとしても、私はここまで傷つかなかったと思う。

私に対して誠実な気持ちがあるなら、嘘をつくまではしなくても、本当のことは言わないで欲しかった。

 

 

行く約束をしていた旅行を、お金がないから延期にしてもいい?と度々言っておきながら、約束より後に決まったライブに行く姿や、ほかの人と旅行に行く姿をSNSで見せられても静観した。「生きててよかった」とか言っているのを見て、私と一緒に旅行に行ったところでそんな気持ちにはさせてあげられないしなと思ったから。

パスポート取る時間がなくてと言いながら、普通に遊んだり旅行したりしているのを知っていても何も言わなかった。代わりに取りに行ってあげられるわけじゃないから。

「お金がない」「時間がない」のなんて建前で、本音は「海外旅行なんて金かかるし面倒くさいし行く気がない」んでしょう。だったら最初から約束なんてしなければいいのに。

 

 

もう理性的なふりなんてやめ。せっかくの機会だから思いっきりぶつかっておいた方がいい。

ここでぶつからず知らないふりをしていたら、いつかもっとひどい状態で衝突したかもしれないし。

向き合うにせよ、背を向けるにせよ、傷は軽い方がいいでしょう?